ニシザキ工芸株式会社 塗装部

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木材塗装ライブラリー

下塗りと上塗りの組み合わせは

その塗膜は「立面」か「平面」か

発注する前に注意するべきこと我が国の消費者は、塗装されたものの表面の「傷」には大変神経質になる節があり、もし新品に毛ほどの傷でもあれば、返品されるか、返品できないものは必ず苦情になってかえってくるのが普通です。
よって塗装のプロは納品後の傷に敏感です。なぜならば既述しました様に「やり直し」は大変な作業で、何とか補修できれば幸いですが(それでも相当の熟練を要します)、もし塗り直しなどということになれば、塗膜をはがすところから始めなければならず、大変な労力と大赤字を伴う結果となってしまいます。
塗装の苦情は発注者と塗装者が緊密に連絡しあい、正しく依頼し指示すれば、ほぼ九割九分はなくせるといっても過言ではありません。それでも現在も尚、苦情は多発しているのです。

その代表例の一つに、塗装する部分は「立面」で使うのか「平面」で使うのかという問題があります。これはこれまで述べたことと同等か、それ以上に重要な「伝達事項」ですので、必ず前もって伝えるべきことであります。

塗膜に要求される「強度」には実に様々なものがあり、大別すると物理的強度と化学的強度ということになりますが、細分すると枚挙にいとまがありません。そしてこの様々ある要求強度のなかでも、「擦り傷に対する強さ(耐擦傷性)」と「熱に対する強さ(耐熱性)」の2種を左右する「平面」の塗膜が最も重視されることなのです。
つまり、「平面」には様々なものが置かれるために、擦り傷がつきやすく、ゆえに塗装のプロは「塗膜をどれくらい強くするか」を計算して、塗料と塗装を選択しなければならいのです。熱についても同じことで、熱いヤカンや耐熱皿のようなものを塗装された甲板に置かれたときのことも想定しなければなりません。
こうして塗装業界におきましては「平面塗装」として厳選された塗料や塗装方法を確立もしているのです。

太陽光線について

一般論で言っても、塗料は太陽光線(紫外線)にあうと退色します。
もっと正確に言うならば、太陽光線の中の紫外線が退色の原因となります。完璧に退色しない塗料はありませんが、退色しにくい塗料と塗装法はあるため、前もって塗るものや場所が直射日光に当たるかどうかを伝えれば、それを選択し、あるいはそれ以外の対策を考えることもできます。
また、木材は太陽光線に永い間あたると、それ自体が変色する材料もあります。チークなどは、かえって色が黒くなります。よって、素地が木材の場合にはその樹種も確実に塗り手に伝えておくことも重要であるといえます。

下塗りと上塗りは正しい組み合わせで

最終の仕上げ塗膜に使うものとして、二液性ウレタン塗料というものがあります。非常に強く硬い塗膜が出来、増々多用されることが予想されます。
しかしながら、塗料の種類は現在は厖大な数で、それぞれには「相性」があり、お互いにガッシリと密着し合うものと、相性が悪くペロリと剥げてしまうものがある為、正しい下塗りと上塗りの塗料の組み合わせを選択しなければなりません。
例えば建築現場などで図面に「OS」とだけの指示では、職人はまず普通のオイルをステインにします。すると昔からの習性上、セラックニスを塗ってしまう確率が高いのです。
何故なら油性塗料は乾きが遅いからで、これを抑える意味でセラックニスをかけるのです。そこへ「二液性ウレタン塗装」との指示が出れば、よく研究している親方がいない限り、指示の通り塗ってしまいます。建築家やデザイナーの指示に逆らえる職人は少ないのです。そして、あとで剥がれる・・・。

本来なら、表面を二液性ウレタン塗料で強固に仕上げたいのであれば、塗料同士の密着を高める為に下塗りは水溶性着色剤を必ず使わなければならないのです。この様な例は「業者の質の低下」ともいえますが、発注者の塗装に対する図面上の指示も、ただ「OS」や「CL」と書き込むだけでなく、より正確に「下地:○○上塗り:○○」という正しい組み合わせの指示を出すことは、質の高い現場にすることへも繋がるのです。

艶出しか艶消しか

塗装の表面表情は「艶出し」と「艶消し」の2種に大別できます。

艶出しについて
艶出しは特に難しい技術ではなく、とにかく研磨を確実に行えば行うほど平滑になって、いい艶がでます。
ただし、この研磨工程は一つではなく、下塗りから中塗りそして上塗りまでの幾つもの工程で必ず研がなければならないため、この工程の時間と費用を見ることが必要です。

艶消しについて
塗膜の表面の艶を消すためには、非常に細かい混入物を加えて表面に当たる光を乱反射させます。艶消し塗料とよばれるものには、大抵何らかの混入物が含まれていて、この乱反射させるための微細な物質は、塗膜にとっては「弱点」として働くこととなってしまいます。
実は、「艶消しパウダー」と呼ばれるこの微細な物質は、大量に混入するとその分だけ塗面が弱くなってしまうのです。
結論から言いますと、最も安全なのは「半艶消し」までで、最高でも「7分艶消し」まで、これ以上の艶消しになると、あとで必ず塗面に傷がつきます。
よって艶消しの指定をする際には、平面部分には是非とも「半艶消し」までにするのが理想です。

時間の重要性

工場塗装なら随分と時間は節約をできるようになりましたが、それでも全体に必要な最低限の時間があります。これを短縮することは、結果のレベルを下げることになります。まして、現場塗装では自然乾燥となり、それが乾くまでは次の工程に移れず、「時間」は何にもまして絶対に必要な要素となります。
すでに述べましたように、現在わが国の塗装技術は超一流です。依頼通りにどんなものでも完璧に塗る技術をもっております。塗装の結果を最高のものにするためにも、ゆとりある工程を組んで頂きたいと申し上げるのは言うまでもありません。

工作社「室内」設計者のための塗装 岡田紘史著より